2008年05月01日

「サッド ヴァケイション」と北九州の母の味

5月の上映会(5/7〜5/12)は、「サッドヴァケイション」をお届けします。
「サッドヴァケイション」2007年/日本/35ミリ/カラー/136分 
原作・脚本・監督:青山真治 主演:浅野忠信 石田えり 宮崎あおい 板谷由夏 中村嘉葎雄 オダギリジョー 光石研 他
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公式ホームページ
●幼少期に母に捨てられ、父にも自殺された健次は、成人し、密航の斡旋を生業としていた。中国人の追っ手を逃れ、運転代行業に職を替えた健次は、ある日、運送会社を経営する間宮を送った先で、その妻に収まっていた自分の母、千代子と再会する。間宮の運送会社は、事件に巻き込まれ傷ついた少女、借金取りに追われる若者、免許を剥奪された元医師ら、脛に傷を負った流れ者に住処と職を与える共同体であった。母への復讐を目的に、ここでの共同生活を始めた健次であったが、彼の意志以上に強靱でしたたかな母の磁力に翻弄され、あるいは、この共同体を経営する義父の寛容な父性の傍らで戸惑い、その意志を全うできず、いたずらに非行を続ける異父兄弟の弟、有介をあっけなく殺めてしまう。
健次の性格を表すかのような冒頭の挑発的映像や、潔く省かれた過去の説明により、一見、難解な物語のようにも思われがちですが、共同生活をする兄弟のような社員達のつながり、よそ者となっていた元家族の健次を受け入れていく過程、さらには、健次が新しく作る家族など、全ては、この物語が"家族の姿"を描いていることを証しています。中でも、常に未来を見据え、変わりゆく家族の形をおおらかに受け入れ包み込んでしまう母、千代子の存在は逞しく、そして、しなやかな美を湛えています。大胆でヴァラエティに富んだ選曲による印象的なサウンドトラックと、北九州の風景にこだわって切り取られた美しい映像が相まって、あまりに映画的な作品に仕上げられたこの物語を、是非、スクリーンで体験して下さい。
◎cinecafe sotoでは、いつものように、映画にちなんだお料理をご用意して、皆様のご来場をお待ちしています。
posted by Cinoche at 23:31 | Cinema