2008年02月29日

「ぼくの伯父さん」と"モダン"なごちそう

3月の上映会(3/5〜3/10)は、ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」をお届けします。
MON ONCLE/1958年/フランス/35ミリ/カラー/116分
監督:ジャック・タチ 主演:ジャック・タチ アラン・べクール ジャン=ピエール・ゾラ他
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●監督自身が演じるユロ氏は、紳士的で清潔感のある小市民の優等生。ところが、周りの人々や社会の変化に比べると、どこか遅れているように見受けられ、いつも貧乏くじを引かされてしまいます。一方、義兄は、まさしく時代の成功者。プラスチック製品のメーカーを経営し、時代が夢見た超モダンスタイルのアルベル邸に住み、息子にも何不自由のない生活を与えていると自負していますが、客人の訪問毎に噴水のスイッチを入れたり、愛犬ダキの仕業で自動扉のガレージに閉じ込められたり。本来の機能性を完璧にコントロールできないのと同様、息子のジェラールも、この豊かな家庭よりも飄々と生きるユロ伯父さんになついたままです。
タチの映画の登場人物やオブジェは、それぞれの性格を表すよう、微に入り細にわたって、その立ち振る舞いすらも徹底的に計算されています。また、生活の中の音をデフォルメし、おもしろ可笑しく聞かせる音響の手法も、ユーモアを表現する極めて独創的なスタイルです。このように、説教や批判的なブラックユーモアに頼らず、紳士的でスマートな手法により時代を風刺してみせるタチ独自の様式は、彼が舞台でパントマイムを演じていた頃からの膨大な人間観察のスタディと、それを可笑しく表現できる職人技の結晶です。
ユロ氏を中心としたのんびりと親しみ溢れる下町の風情と、革新的な実験精神に溢れる表現が同居する、愛のあるユーモアが溢れるジャック・タチの代表作を、是非、スクリーンでご堪能下さい。
1958年度米アカデミー賞最優秀賞外国語映画賞、1958年度カンヌ国際映画祭特別賞、1958年度フランス批評家協会メリエス賞
◎この映画に合わせ、cinecafe sotoでは、いつものように映画にちなんだお料理をご用意して、皆様のご来場をお待ちしています。
posted by Cinoche at 01:29 | Cinema