2008年01月26日

「都会のアリス」と心の糧

2月の上映会(2/6〜2/11)は、ヴィム・ヴェンダースの「都会のアリス」をお届けします。
ALICE IN DEN STADTEN/1974年/ドイツ/35ミリ/モノクローム/112分
監督:ヴィム・ヴェンダース 主演:リュディガー・フォーグラー イエラ・ロットレンダー他
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●フィリップは、アメリカの現状をルポする仕事で滞在していたドイツ人ジャーナリスト。約束の原稿も形にできず、なけなしの小遣いでドイツへ戻るところ。一方アリスは、男に振り回される母親に連れられアメリカに来たものの、その破局と同時に故郷のドイツへ戻るところ。2人は偶然、ニューヨークの空港で出会います。結局、母親は失踪。渡航先で母と落ち合う約束を胸に、アリスは、出会ったばかりのフィリップとアムステルダム行の飛行機に乗り込みます。フィリップにとって、感情の起伏の激しい9歳の女の子の道連れは、まさに厄介なお荷物ですが、目的を失い、執筆はおろか、まともなコミュニケーションすら忘れてしまった" 敗者 "フィリップにも、客観的で、時に辛辣な言葉も浴びせる旅仲間アリスの姿は、人の道を諭す天使のようにも映ります。
有名な俳優も、ドラマチックな展開もありませんが、偶然の出会いや別れ、些細なすれ違い、あるいは同行者への思いやりが、かけがえの無い大きな愛情に変わっていくような時間は、誰もが経験したことのある人生の大切な瞬間を垣間見るようです。
海を渡る旅客機、鉄の塊のようなモノレール、機械的な観光案内の響く遊覧船、薄っぺらのルノー、カーフェリー、大陸特急等々、様々な交通手段とともに、カメラは都市と郊外を移動します。そこに映し出される風景は、心の旅となり、そして" 映画の旅 "を紡ぎ出します。
『パリ、テキサス』<1984年カンヌ国際映画祭パルムドール>、『ベルリン・天使の詩』<1987年同監督賞>で有名なヴェンダースの " ROAD MOVIE " の原点を、是非フィルムでご堪能下さい。
◎この映画に合わせ、cinecafe sotoでは、いつものように映画にちなんだお料理をご用意しています。映画に浸った旅人のみなさんへ、" 心の糧 "となるようなお食事でお待ちしています。
posted by Cinoche at 23:04 | Cinema