ABENTEUER DES PRINZEN ACMED/1926年/ドイツ/35ミリ/カラー/65分 監督・影絵アニメーション:ロッテ・ライニガー

●「アクメッド王子の冒険」は、1929年、オリジナルが日本でも公開され、若い映画ファンやアーチスト達に強い影響を与えたとの記述もあります。
今回上映の完全修復サウンド版は、99年にドイツ・フィルムミュージアムによって修復されたもので、オリジナルの楽譜を元にフルオーケストラによる音楽トラックも加えられています。
「影絵」というと、インドネシアのワヤン・クリのような影絵劇を思い浮かベる方も多いことでしょう。ライニガーの作品は、レース編みのように繊細で、緻密に切り抜かれた姫の衣装や宮殿の細部は勿論、各キャラクターの指先まで、うっとりするような独特の美しい動きによって描かれています。また、奥行き、スケール感を与える様々な技法、水面の波影の表現など、目を見張るほど美しい場面も多く、それぞれの技法が相まってストーリーを盛り上げます。オーケストラの音楽も、より一層、冒険活劇の迫力を引き立ててくれます。
お話は、悪い魔法使いの作った空飛ぶ馬に乗せられ、遙か異国へと飛ばされてしまったアクメッド王子が繰り広げる摩訶不思議な冒険と恋のファンタジー。王子の世界を股にかけた冒険が、まるで夢の中のような影絵によって語られます。
異国文化への憧憬や、女性ならではのユーモア、そして、睦み合う恋人達の歓びなどが、実に活き活きと描かれているのもライニガー作品の特徴です。美しいシルエットによる幻想的でロマンティックな「愛の讃歌」を是非ご堪能下さい。
併映の短編には、「カルメン」(1933)、「ガラテア」(1935)、「パパゲーノ」(1935)、そして戦後イギリスで手がけた「眠れる森の美女」「長靴をはいた猫」(共に1954)の計5作品を上映します。(全て無字幕)「パパゲーノ」を始め、これら短編では、彼女のキャラクターたちが軽快なリズムに合わせて跳び回ります。繰り広げられるお話の楽しさと、メロディーの展開をコマ単位で厳密に計った上で人形の動きを合わせる、ライニガーの職人技をお楽しみ下さい。
◎「アクメッド王子の冒険」の映画に合わせ、cinecafe sotoでは、アクメッド王子が中国への冒険の前に立ち寄るWAK WAK島のお料理を創作します。(島の詳細は、映画を観てお確かめ下さい。)お食事をしながら、今一度、魅惑的な影絵の世界に想いを巡らせて下さい。